キミと再会
【舞美】




ショーの前日


朝、オフィスで

半端ない疲労感に、息苦しさ



「マイ?大丈夫か?」


「うん… 少し休んだら平気と思う」



それから1日仕事をして

夕方


体の異変を感じた

やっぱり…なんか苦しい



「舞美 病院行ってこい」



晴真が私を帰らせてくれた


だけど、病院には行かなかった


行けなかった


もしも


何か病気で、入院することになったら

ショーも、加賀見さんとの夕食も

出来なくなってしまう



今日は、残業だから行けないって
加賀見さんに言ったけど


「加賀見さん!!」


「うわぁ!! 舞美さん?どうしたの?」


「私… 加賀見さんに言ってないことが」



ポロポロと涙が溢れた



オロオロとティッシュをくれたり

ベッドから降りて、私の背中を
擦ってくれた


「私… 私… 胃癌だったの
あっ…でも、寛解してて
でも、今日なんか調子悪くて
私…私… 加賀見さん…」


「大丈夫!落ち着いて!大丈夫だよ!」



多くを語らなくても
わかってくれた


やり残しがないように


そう言って、私に戻るように言ってくれた


ショーの後


勝手に病院を抜け出して

私をさらったかと思えば

会社近くの喫茶店で、幸せ~って

お茶をした


病院に戻ると色々な人から怒られた


だけど、加賀見さんは、にこにこ笑ってた



「舞美さん!ありがとう!」




その夜から、一度も目を覚まさなかった




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