大切な人へ

でも彼にはとても感謝している
母を笑顔にしてくれたから
不安だっただろう母を支えてくれたから
彼は私たちにとても優しかったから

でも父親ではない。私の父は1人しかいない


次第に家に来ることが増え、
私はその家が居心地の悪いものになっていった
私が中学に入る頃には再婚して一緒に住んだ



私は高校受験をする前に母と話しをした
今の高校に受かったら1人暮らしをしたいと
もちろん反対をされたが、本当は2人共
気付いていたらしい


学費 家賃を出して貰えたら後は自分で働く
高校受験が終わったら早朝のバイトをして
家具家財も自分で揃える
勉強もしっかりする

真剣な私の言葉に2人は納得してくれた


2人にはずっと気を使ってきた…
食事とお風呂以外はずっと自分の部屋で勉強

ドアは全てノックをして開けていた。だって
新しい旦那さんと2人でいたいだろうから


母は幸せそうだった…

私がいない方がいいと思った




2人は決して邪魔者扱いはしなかったけど
私が自分で離れていったんだ…
少し遠くで見守りたいと


でも
距離を置きすぎたのかもしれない

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