大切な人へ

次の日クラスの掲示板に

昨日みんなで写した写真が
引き伸ばされて貼られていた

みんな笑顔でいい顔してるな


『おはよ!あれ上田くん?』

「うん。いい写真でしょ?」

そう言って封筒をくれた
中にはその写真が入ってる


『え⁉みんなの焼いてくれたの?』

家でやったから気にしないでと
女子力を発揮してる

『こんな優しい彼氏で
紗羅が羨ましいよ~!!』


いやいやと言いながら照れてる



「井川も優しいでしょ?」

『…うん。優しいね』

やっぱり口は悪いけど
井川くんはすごく優しい人だよね


そんなことを考えてると

「藍野さんには特別そうだよ」


…そっか

上田くんは花火の時のこと
知ってるんだよね


そう思うと急に恥ずかしくなった





上田くんも井川くんも
私の大切な友達

多分2人もそう思ってくれてるから…
だから2人とも優しいんだよね?

そう思いたい



私は井川くんの特別にはなれないから

私の特別は、先生だけだから…



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