ラブ パラドックス
夏目くんのプラス思考のルーツって何なんだろう。例えば実家がとても裕福で、金銭的にも精神的にも余裕があるのかな。

仕立てのよさそうなスーツ着てるし、きっとそう。

「そのスーツって既製品?夏目くんって手足長いでしょ?袖短くない?わたしなんてほら」


立ち上がって気を付けの姿勢だ。身長が平均より高いから、どうも袖丈が短い。無意識にそこを引っ張ってしまう癖に気付いてから、余計にそれが気になって仕方ない。

スカートも、一般的にはひざ丈のものが、私が履くと下手したらひざ上になってしまう。

しかも就活スーツともう一着しか持ってないから、さすがにもう一着はちゃんとしたスーツを持っていたい。


「わかる。袖短いよな。それに俺、肩幅もあるから既製品は窮屈で動きづらくてセミオーダー。スーツ屋で働いてる知り合いがいるからそこで買ってる」

「そうなんだ。高い?レディースも取り扱ってる?」

「レディース取り扱ってるかどうか、すぐ聞いてやるよ。大体の値段も」

「ほんと?よろしく」


夏目くんが電話をしてくれて、あっという間に話が進んでまとまった。今日仕事帰りに、夏目くんとそのお店に行ってみることになった。
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