ラブ パラドックス
「凛子こそ元カレにもらって、まだ持ってるもんねえよな」

「え、」

「後で全部出せ。ひとつ残らず捨ててやる」

「えーでも元カレに未練はないけど、物に罪はないし、財布とかもったいないから」

「は?あのブランドの財布?ほかには?」

「名刺入れとか…」

「お前の誕プレ決定」

「やだ!旅行は?」


凛子の中に指をうずめる。凛子を追い詰めるだけ追い詰めて、寸前でやめるを繰り返す。このくらいの意地悪はさせてくれ。

クソ!全部買い替えて上書きしてやる!


凛子の中に入ると、熱くて潤ったそこが締め付けて離さない。


「陽、キス」


ヤバい。クソかわいい。突然のおねだりに心臓が痛い。


キスがしにくいから、後ろからをやめて体勢を変える。向き合って座って、凛子を上に乗せる。一番身体が密着できるやつだ。

ギュ、と俺にしがみつく凛子が、すぐ近くでかわいい声を聞かせてくれる。

「気持ちいい」と連発して、こういう時の凛子は素直でエロい。


「旅行行こうな」

「うん」

「早く一緒に住みてえな」

「うん、陽大好き。指輪大切にする」


おい!急にデレるな!


確実に追い詰めていたはずが、一瞬で、追い詰められた。




裏パラドックス-side陽-

完結



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