ラブ パラドックス
Chap.04 一夜
「やだ!かぶってる!」

「お前着替えてこい。せめてニットキャップ脱げよ」


土曜の朝、アパートの下まで迎えに来てくれた夏目くんは、ネイビーのニットキャップにダメージジーンズ、それから黒ダウン、スニーカー。

わたしは、グレーのニットキャップにダメージジーンズ、黒ダウンとスニーカー。


お互い初お披露目の私服姿が、こんな絶妙にかぶるとは。スニーカーなんて同じメーカーだし。


「まあいい。開き直ろうぜ」

「だね。さあ、ホームセンターに行こう!」


お邪魔します。と助手席に乗り込み、車内をきょろきょろ見回す。

夏目くんの愛車はワゴン車で、後ろのシートをフラットにできるらしく、そうすればかなり積み込むことができると教えてくれた。


さっきは、ペアルックが衝撃で気づかなかったけど、今日の夏目くんは、違和感がすごい。

スーツ姿しか見たことなかったから、当然かな。


話をしながら、時々横顔を盗み見る。


夏目くんって、こんなにかっこよかったっけ。
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