僕の星
 何という傲慢なメッセージだろう。
 進太といえば、奈良で一緒に写真を撮った、あの軽そうな男子である。

 里奈はメールを即削除しようとしたが、思いとどまる。
 これは律子が転送してくれたメールだ。

 それならばと、彼女に電話しようとするが、午後11時を過ぎている。

 仕方ないので、この件は明日学校で話すことにした。

(まったくもう。何なの、このメールは)

 もう一度、写真とメッセージを目でなぞる。
 そして、『様』に対して『from』とあるのに気が付き、くすっと笑った。

(へんなの。間違えたのかな)

 灯りを消して、ベッドに潜り込んだ。

 考えてみれば、いくら大人びてかっこいい男子でも、同じ17歳なのだ。
 勝手に圧倒されて、苦手意識を持った自分が、ばかみたいに思える。

 佐久間(さくま)進太という男の子が、少し身近に感じられた。

(でも……)

 やはりあの子を思い出す。どうしても、考えてしまうのだ。

 里奈は今夜も『滝口君』の顔を思い浮かべ、眠りについた。
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