ポンコツ同盟
1、樋口幹生という男

樋口幹生、高校1年生。

ただいま、ボサボサの髪で机に伏せてイビキをかいている。

「おい樋口!起きろ!」

授業中、ほぼ毎日寝てる幹生を起こす教師。

「…うるっさい。」

睡眠の邪魔をされた幹生はすこぶる不機嫌である。目が死んでいるのはいつものことだが。

「うるさいとはなんだ!」

「ただでさえ声でかいのに。安眠の妨害やめてもらえます?」

「授業中だ!」

「睡眠学習ですよ。」

「じゃあこの問題解いてみろ。」

「えー、めんどくさい。」

「さっさとやれ!」

幹生はだるそうに立ち上がり、だるそうに黒板に向かい、だるそうに解答を書いた。

「できました。」

「…正解だ。」

樋口幹生は勉強しなくてもテストが解ける、所謂天才である。

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