ポンコツ同盟

はじめこそ、嫌々俺に勉強を教えてくれていた樋口くんだが、

「いやー、笛木はものわかりがいいから助かる!」

と喜んで教えてくれるようになった。

「それに比べてあいつは…」

と、自分の妹を思い出し遠い目をすることもある。

樋口くんは空気が読めなさすぎるところもあるが、そのおかげで、俺はひとりぼっちではなくなった。

「へえ、笛木それ自分で作ってんだ。すごいな。まじギャップ。」

斜め前の席の荒川くんも話しかけてくれるようになり、クラスメートたちとも話すようになった。

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