ポンコツ同盟

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室に帰ろうと立ち上がったその時、LINEの通知音が鳴った。樹里ちゃんからだ。

『愛華ちゃん!早く戻ってきて!大変なの!京香ちゃんが!』

という文章のあとに、キャラクターが焦っているスタンプが送られてきた。

「え、京ちゃんが…何?」

樋口先輩が私のケータイを覗き込む。

「急いだ方がいいかもね。」

樋口先輩に腕を引っぱられて私は走った。

私のクラスには人だかりが出来ていて、すごい物音がしている。

教室に入ると、そこはめちゃくちゃに机や椅子が倒れていて、真ん中に京ちゃんがいた。他の子たちは壁際に避けて立ち尽くしている。

「愛ちゃんは心優しい子なの!私よりもずっと可愛い!そんな愛ちゃんが邪魔者?ふざけんな!愛ちゃんのそばにいたいのは私の方!てめえみたいな男なんて私には必要ねえんだよバーカ!消え失せろ!」

京ちゃんは椅子を振り回しながらそう叫んでいた。こんな京ちゃんを見るのは初めてだ。

みんな呆然としている中、ひとりだけお腹を抱えて笑っているやつがいた。

樋口先輩だ。

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