ポンコツ同盟
教頭の話というのは、部活の合宿の日程の調整だった。
15分程度で話は終わり、教室に向かっている途中、階段の踊り場でたむろしている数人の生徒がいた。
「てかさ、まじ井川うざくね?」
大声で俺の悪口を言っている。俺が聞いてることにまったく気づいていないだろうな。
「ほんとうざい。スカートが少しくらい短くてもいいじゃんね。こっちの方が可愛いし。」
「俺も。ピアス開けたら怒られたんだけど。ピアスくらい誰にも迷惑かけねえのに。もう穴塞がるし最悪。」
「俺なんか、眉毛整えただけで注意されたんだけど。眉毛剃ったらいけねえってどうなの。ゴン太眉毛の方が公害じゃん。」
皆口々に不満を言っている。ミニスカもピアスも眉毛も、社会に出たら自由にすればいい。しかし、見た目だけで印象が大きく変わる世の中だ。今は窮屈だとしても、校則にのっとった、学生らしい格好をするべきである。
自分の思いにそぐわないこともある社会だ。今のうちに忍耐力を鍛えるのもまた、大切なことだろう。