ポンコツ同盟

「君は何がしたい?」

「だから!兄貴に俺と同じ苦しみを…」

「立花は、僕たちが離れたくらいじゃ苦しまないよ。」

「…は?」

「立花とよく話すようになったのは最近なんだ。まだ日が浅い。そんなやつらがいなくなっても、そんなにつらくないだろ。」

「それでも兄貴と一番仲いいのはお前らで…」

「価値観はみんな違う。君にとって不幸なことでも、彼にとってもそうかと言われればそれは違う。もちろん、逆も然り。」

…反論できない。

「もしかしたら、立花も君を恨んでるかもしれない。」

「はあ?」

「いい家でぬくぬくと暮らしてて、将来も決まってる君のことを羨んでいるかもしれない。」

「そんないい生活してない!兄貴の方が…」

「人はないものねだりだからね。」

< 193 / 377 >

この作品をシェア

pagetop