ポンコツ同盟
23、奥野文貴という男

奥野文貴、高校2年生。

僕は小さい頃からずっと人に合わせて生きてきた。

人に嫌われたくなくて、にこにこしながら生きてきた。

嫌われるのが怖くて、言葉を選んで、行動を選んで生きてきた。

それなのに。

「奥野ってさ、つまんねえよな。いつも誰にでも笑ってて、八方美人すぎねえ?」

教室に入ろうとした時、中からクラスメートの声が聞こえてきた。

大谷くんだ。出席番号が隣だから結構話すんだけど。

そうか。嫌われないようにしようと思ったのに、つまらないやつだと思われてたんだ。

ショックだな。

僕は教室に入ることができず、保健室に向かった。

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