ポンコツ同盟
25、都築美織という女

都築美織、22歳。高校の臨時教員をしている。

私には高校生の弟がいる。名前は匠、高校2年生。今日は彼から相談があると言われ、実家に戻った。

「姉ちゃん、俺、大学の志望校変えたいんだけど、父さんに言い出せなくてさ、」

深刻な顔をして話す匠。言い出せないってことは、偏差値の高い大学ではなく、レベルを落とすってことかな。

「どうして?成績が思わしくないの?」

「成績は大丈夫。今のままなら第一志望の心配もないって先生に言われたし、もしかしたら推薦もらえるかも。」

「いいじゃない。じゃあ、目指したい分野が変わった?」

若いうちは夢が変わるなんてよくあることだ。まだ遅くない。お父さんにだってちゃんと説明すれば分かってくれるはず。

「本当にやりたいことが見つかったの?それなら一緒にお父さんに話してあげるよ。」

「…違うんだ。」

「え?」

「優人と同じ大学に行きたいんだ。」

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