ポンコツ同盟

大学のゼミの先生には反対された。「ギターで食べていけるようには、才能と努力が必要だ。確かに相良くんにはそれなりの才能もあるかもしれないし、努力もしているかもしれない。でも、君レベルのギターに情熱をかけている人間は五万といる。さらに君以上の才能と努力の持ち主も五万といる。」と言われた。

友達には「現実を見ろ。」と言われ、大学の軽音サークルでバンドを組んでたやつらは「続けれるもんなら音楽続けたいけど、それで生活するなんて簡単なことではないしなあ。」と就活をし始めた。

親からも反対されている。お父さんは建設関係の仕事をしていて、お母さんは高校教師をしている。「将来のことをしっかり考えて、安定した職業に就いてほしい。」と言われた。俺は3人兄弟の長男だ。長男だから家を継ぐなんて古い考えは両親にはないようだが、それでも弟と妹に示しのつくよう、しっかりした仕事をしてほしいと考えているのだろう。もちろんニートになろうなんてことは思っていない。バイトをかけ持ちしたりして食いつなぎながらギターを続けるつもりだ。経済的な負担を家族にかけるつもりはまったくない。それを話しても、反対された。

< 305 / 377 >

この作品をシェア

pagetop