ポンコツ同盟

「みっきー、表情柔らかくなったな。」

「え?」

「小1のときから、笑えなくなってただろ?❝ななせ❞の事件から…」

俺がそう言った瞬間、みっきーの表情が消えた。

「…もう、10年前のことだよ。笑わないで生きる気力なんてないよ。」

「…ごめん。」

「…僕が弱かったんだ。強かったら、ななちゃんを助けられたのに。」

「…お前だけじゃない。俺らもだ。」

「もう誰も失いたくないんだ。だからもっと、強くなるしかない。」

「お前は強いよ。ずっと。昔から。お前の優しさは強さだよ。」

「僕の優しさは臆病なだけだったんだよ。」

みっきーは悲しそうに笑った。

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