ポンコツ同盟

「悠里さんにもお礼を伝えておいてください。とてもかっこよかったです。私も悠里さんみたいになりたい。」

「妹は漢気溢れてたくましく育って、素晴らしい人間だとは思うけど、バカだから見習わない方がいいぞ。」

「ははっ。なんですかそれ。それと、幹生さんがスカートの件、痴漢に反論してくれたのも嬉しかったです。かっこよかったです。」

「あれは当たり前のことを言っただけだ。君たちがどんな格好をしてようが、どんな見た目をしてようが、君たち自身のためにしているのであって、誰かのためではないだろ。自分の都合のいいように解釈して自分を正当化するあいつに腹が立っただけだ。」

やっぱり素敵な人だなあ。それが当たり前と言ってくれるのが嬉しい。さらにそれを真っ直ぐ口に出せるのが、人間として尊敬するし、好きだ。

彼にとって何気ない言葉でも、私にとっては大きな救いとなる。

幹生さんは救世主だ。

…っあ!思い出した。樋口幹生って、お姉ちゃんの知り合いだ。お姉ちゃんから名前を聞いたんだ。

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