ポンコツ同盟

「僕はもう決まってるよ。」

幹生の言葉を聞いた担任が満面の笑みを浮かべた。

「そうか!樋口はもう決まってるのか!さすが首席だな!なんだ?お前の夢は。」

幹生は頬杖をついたまま答える。

「ニートです。」

「…は?」

「だからニートです。え、先生、ニート知らないんですか?」

「え、いや知ってるけど、」

「ニートって誰もが憧れるじゃないですか。みんなの憧れの存在になりたいです。」

やる気のない顔で答える幹生に担任は頭を抱えた。

「樋口、お前はもっと精神力を鍛えてから出直してこい。」

「はーい。ニートの精神力鍛えてきます。」

「そういうことじゃない!」

今日もまた、教師を派手に怒らせる幹生だった。

< 9 / 377 >

この作品をシェア

pagetop