叶わない恋。

未知の世界

私は命令通り黙ってる。

この男に言われた通りにしなければ


またさっきのような売り買いの場所に出されるかわからない。


そう習ったから

この男がしゃべれと言わない限りしゃべらない。


男はしゃべらない私を見て困ったように口を開いた。


「あぁ、俺の自己紹介がまだだったね。
流(りゅう)だ。
君の名前は?」

名前…そんなもの売られた時に忘れろと言われた。
買ってくれる人が好きにつけられないからと。


「ありません。」

これも売り場で言われた。

そう言えと。
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