~ただ前へ~
黒板の前に梨花が立つと、
おもむろに黒板消しで問題を消し始めた。
「ちょ、お前何してるんだ」
梨花は先生の言葉を無視して、消し続ける。
「おい、こらっ」
黒板に駆け寄り、梨花の手首を押さえる。
「キャー!!」
悲鳴とも絶叫ともとれる声がクラスから上がる。
仕掛けた梨花も赤面している。
「あの・・・先生・・・、自己紹介」
・・・・
沈黙が歓声に変わった。
「ワーっ!!!」
一斉に盛り上がる声援と拍手。
「梨花いいよー」
飛び交う声。