~ただ前へ~
「二年が花よ。今のうちに楽しんでおかないと、三年は地獄だから」
先輩はにっこり笑うと、
「じゃ、これよろしくね」
備品を管理するノートを手渡された。
くじ運悪く、備品担当になってしまった。
部活で使う、テニスボールや、ネット、ゼッケン、その他試合での飲み物の手配など、結構面倒な係。
「早速だけど、部室の備品数えといて」
「今日ですか?」
「そっ、これ部室の鍵」
マジかぁ。
手のひらに鈍く光る鍵束。