こんな私が、恋したみたいです。
「うるさいなぁ」

「黙れよ」



口々に、文句を言われている。それでもこいつはまったく怯まない。



「おはようは大切!」


「はいおはよー」



「よん!」



間違えなく、こいつが教室に来ると、クラスが明るくなるんだ。



りっちゃんが決して高くも可愛くもない声でギャーギャー騒いでも、不思議と文句を言う奴はいなくて。



軽くあしらうとはいえども、りっちゃんといる人はみんな笑顔で。


あぁ、羨ましい。俺も、あそこに入りたい。あぁなりたい。



そう、思ったから。



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