こんな私が、恋したみたいです。
「帰ろっか」



りっくんは、ニコッと笑う。




「そだね」



もっちが扇風機を当ててくれてたおかげで、すっかり乾いた制服に着替えた。



「あ、帰んの?」



ちょうど、コンビニの袋を提げたもっちに出くわす。



「おう」




「うん。…ありがと」



「りっちゃん、服どこ置いた?」



もっちの眉がさがってる。



「あ、持ってる」


悲しさが、見える。




「持ってんの?いいよ、ちょうだい」



手を伸ばしてくれる。



「でも、着たから」



「俺の今日着るのなくなる」



早く!とりっくんも急かしてる。



「じゃあ、…ありがと」



服を返して、



「ばいばい」



3人で手を振って、家を出た。



< 392 / 549 >

この作品をシェア

pagetop