結婚の約束をしよう
「結愛、もう一度…結婚の約束をしよう。」


「うん…!陵、私…陵のことが好きなの!」

「え…⁈」

なんだって…⁈

どうしてそうなるんだよ……。

どうして……。

笑顔の結愛に、オレは動揺しまくりだった。


「陵?なんで泣いてるの…?」

「泣いてなんか……。」

泣いてなんかいないはずなのに、オレの頬はこれでもかというくらい濡れていた。

それを、ぐいっと拭う。


「結愛、オレは逝かなきゃいけないんだ。」

「行く?どこに?」

「もう、会えないけど……頑張れよ。」

「え…?なにそれ、陵…あれ?どこ⁈見えないよ⁈」

「…。」

また、オレの姿は見えなくなってしまったようで、もう時間なんだと理解した。

「陵…‼︎」

あぁ、頼むから泣くなよ…。




”結愛!大人になったら結婚するぞ!”


”うん、いーよ!”



さよならがどうしても言えなかったオレは、代わりにカーテンを揺らしたーーー。






【END】
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