リアルな恋は落ち着かない
今日も部長は、私のことを褒めてくれる。

4年間、変わらず褒めてくれるので、嬉しいけれど照れくさい。

そのまま、上機嫌の部長と一緒にエレベーターに乗り、ロボット開発部のフロアに行った。

そして入り口にあるロッカーにかばんをごそごそしまっていると、横から大きな影に包まれた。

「おはようございます」

「!」

五十嵐くんだった。

私は慌てて「おはよう!」と返事を返した。

「あ、昨日は、どうもありがとう・・・」

誰にも聞こえないように、けれど忘れることのないように、小声でそっと呟いた。

すると五十嵐くんは頷くように、小さく笑いかけてくれた。







< 126 / 314 >

この作品をシェア

pagetop