リアルな恋は落ち着かない
うまく説明なんてできなかった。

だけど今は、ももさんを止めたい思いでいっぱいだった。

「ゆりりん、わけわからんぞ」

「・・・ごめん・・・。でも、いまは待ってほしいの。中途半端に話をしたから、余計な心配かけちゃったけど・・・。もう少し、考えたいんだ」

いますぐに、物事が進んでいくのが怖かった。

そしてこれ以上の話をして、ももさんまで巻き込んでしまったらどうしようと、そんなことも不安になった。

相手が誰であろうとも、まりんちゃんは、本当に何をするかわからない。

「・・・落ち着いたら、ももさんには話せると思うんだ。でも今は、言える勇気もまだなくて」

「いや、私はいいんだが・・・なんか、大丈夫か」

「うん・・・。大丈夫」

最後はなんとか、「へへっ」と笑って返事した。

するとももさんは何度か「ううーん」と唸った後に、「わかった」と頷いた。

「ゆりりんがそこまで言うのなら、もう何も言わないけれど。なにかあったら、いつでも言ってくるのだぞ。

私も、バーチャルな恋愛なら修羅場はかなりくぐったからな。それなりに相談相手になれると思うぞ」

真面目に語るももさんの声。

彼女らしい物言いが、嬉しくて、思わずちょっと笑ってしまった。

「うん・・・ありがとう」

「うむ。ファイトだゆりりん」

これからどうしたらいいのか、今は全くわからないけど。

優しいエールをもらった私は、電話前より、少し心強くなっていた。









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