春色の輝き
そして、今、高校生になった。
たまにバレないように、放課後病院に行っている。
亮ちゃんには、ちょっと嘘をついて。
“叶哇!叶哇!”
ん?なんか、向こうから声が聞こえる?
亮ちゃん?あ、そっか。私、亮ちゃんの前で倒れたんだ。
もう嘘はつかなくていいんだ。
やっと言えるのね。でも、なんとなく、黙ってた方がいい。って、思い始めていた。
「それが、亮ちゃんのためなら。」って。
“叶哇!”
ん?また?あ、元の世界に戻らなきゃ行けないのか。多分、私の戻るところはここじゃないんだ。
パチッ
目が覚めた。見覚えの顔のある人達。
「亮ちゃん。」
亮ちゃんは、誰よりも手が震えていた。
「大丈夫だよ。私は、ここにいるよ。そんな心配しないで。ね?」
亮ちゃんは、ほんのちょっとだけ、目をうるませていた。
その隙間から、当面の粒が流れていた。
そんなに心配してくれたの?
ありがとう。大好きだよ。
私の最高の幼なじみさん。
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