春色の輝き
直樹とは、小学校で離れた。
一緒の小学校に行こうって言ってたのに。
入学式の日、突然家からも消えてしまった。
家族もいなかった。
それが悲しくて、亮ちゃんと2人でずっと泣いてたのを覚えてる。
高校生になった今でも、直樹は帰ってこない。
ほんと、どこ行っちゃったの?直樹。
亮ちゃんとは今でもすごく仲がいい。
周りからカップルって思われちゃうくらい。
しかも、亮ちゃんったらモテるんだもの。
確かに顔はイケメンだよ?だって、幼稚園からずっとバレンタインのチョコは全員の女子から貰ってた。
確かに中学校の時は、さらにバスケ部のエースだったし。いつもみんなの中心にいた。私もそれなりに告白はされていても亮ちゃん程ではない。そういえば、直樹もモテてたっけ?
っていうか、今から高校の入学式だしっ。
遅れちゃう!
「亮ちゃんっ遅れちゃうよ!入学式!」
毎朝、亮ちゃんを起こすことが、私の日課。それに、亮ちゃんの分と、亮ちゃんのお母さんと、お父さんの分の朝ごはんも作ることも日課。
「んー?って今何時?7時だよ!もー遅刻しちゃうってば。今日は、入学式でしょ?しかも、学校まで遠いしー!早く起きてよー!」
そーゆーと、亮ちゃんは、ガバッと起きた。
「朝ごはん何?」
はい?朝ごはん?
「私特製オムライスだよ!」
亮ちゃんは、目をキラキラさせていた。
だって、私がオムライスを作る時は、いつも特別な日だもん。
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