東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「好きな奴でも出来た?」
キャプテンからそう聞かれた時に、上手く返事が出来なかったあの倉庫での会話を思い出す。
否定も肯定もしなかった私。
だけど引退までって……そう言った私。
確実に……亮先輩の事が好きなんだと思われた。
がっくりと全身の力が抜ける私の頭を撫でているのはキャプテンじゃなくて……でも試合目前の大切な時期に、その手を払うなんて出来なくて。
こんな事になるんだったら無責任でも、最後の試合を応援出来なくても、さっさと辞めちゃえば良かったなんて今更思っても……全部後の祭りだよ。