東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット



もう……亮先輩は何も言わなかった。



バイバイと手を振って体育館へと戻る……その姿は今日の英雄のハズなのに弱々しくて。



私は結局先輩の一部しか知らなかったんだって知った。



戻った亮先輩の隣にはそれでも、こっそり先輩のこと好きだって言ってた女の子が座り……



恋はいつも止まる事無く、廻り続ける。



その姿を見ながら……私はキャプテンに手を引かれて外へと連れ出された。



「おいで?」



その姿が、入学式の日のスカウトと被って



……だけど、今のキャプテンは怪しい人なんかじゃない。



大好きな大好きな人。



私は迷わずに、大きく首を縦に振るとその手を握った。



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