東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット



「あ……」



「どうしたんですか??」



ざくざくと半泣きになりながら玉ねぎを切っていた沙良先輩の手が、急に何かを思い出したように止まったから振り返ると……



「着火剤……バスに置いてきちゃった」



バスの駐車場までは歩いて20分はある。こんなにリラックスしてるみんなに頼むのも悪いし……



「じゃあ、私取って来ますね♪」



「いいの??」



「任せて下さい!!」




ぱぁっと顔を明るくして両手をありがとう!と合わせる小さな体を見ていると、見慣れてるハズなのに私までその可愛さにドキドキしそうになっちゃうよ。



沙良先輩みたいにもっともっと女の子らしくなりたいな。



「じゃあ行ってきます!!」



< 76 / 220 >

この作品をシェア

pagetop