ギャップだらけの二人
元カノからのアプローチ

~俊哉side~

「今日はこれで終わり」

担任がそう言うと、俺は直ぐに鞄を持ち、智恵美の席へ向かった。

「智恵美、行くぞ」

俺は智恵美の鞄も持った。

「理緒、帰るね。バイバイ」

「うん。私も拓斗と帰るからいいよ。バイバイ」

理緒と挨拶をして、智恵美は俺を追ってきた。

「ごめんね。鞄ありがとう」

そう言って自分の鞄を俺からとって、そのまま俺の隣を歩く。

俺たちが並んで歩くと、大抵の生徒が振り向いて見つめる。
そして、男子からは羨望の眼差しが向けられる。
今、智恵美と並んで歩ける男子は、俺と拓斗くらいだろう。

拓斗が、智恵美に恋しているのは知っている。
それでも、智恵美は渡さない。

「なぁ智恵美。暑いからアイス食べて行こう」

「ん、いいよ。もちろん、俊哉の奢りだよね?」

「なんでそうなる? まぁ、いいけど。
代わりに、英語の宿題教えろよ」

「やった!お安い御用だよ」

そんな、何気ない会話をしながら、昇降口へ向かって歩く。

そして、昇降口について靴を履きかえようとしたら、

「あっ、俊哉。久しぶり! 話したいことがあるから待ってたんだよ。
今日、部活ないんだよね?
一緒に帰ろう」

突然、女子に話しかけられた。

振り返ると、小松沙織がいた。





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