【野いちご版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「これ貰ってもいいの?」

『もちろんですよ?』



紫音からの三つめのプレゼントに、また驚いた。



「ここのブランドのこと、俺言ったことあった?」

『いいえ。でも、モデルの時の"小物"は"いつも"そこのですよね?
だから、それをご自分で用意してるのかなって』



紐解いてそこにあったのは、俺が好んで身に付けているブランドの物。

普通は外装にその"ロゴ"が記されているブランドが多いのに、このブランドはそれをしていない。

だからと言って、それが入っているなんて思いもしなかったから……箱を開けてみるまでは、その中身なんてわかるはずもなくて…

しかも、


"春の新作"


次の"撮り"までには、自身で購入しようと考えていた物だった。



「紫音こそ、俺の思考が読めんの?」

『え?』

「俺って、撮りの時だけで、普段は身に付けてないじゃん?」

『お好き……ではない?』

「違う違う。そうじゃなくて…
紫音が言うように、確かに、自分でこのブランドの物を用意してる。それもかなり好んで」

『よかった。当ってた』

『当たりも当たり。大当たりだよ。
俺が今欲しかった物だし。すげぇ嬉しい。ありがとな』



俺がそう言うと、溢(こぼ)れるほどの笑顔を見せてくれた。


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