咲き誇るものは忍の恋なり
その翌日の午前。結糸の病室には、結合や冴音らが集っていた。とても和んだ、良い雰囲気だ。その時

「......失礼する。」

扉が開き、スーツを着た男達が入ってきた。

「.........どなたですか?」

冴音が問いかけた。その目はどこか敵意を抱いている。

「......待って、冴音。」

結合が声を出した。そして

「国の人達だよ.........」

「.........天皇に、総理大臣まで.........」

結合に続き、海も言った。

「.........何の御用ですか?用件がないのであれば、こちらも怪我人がいますので、お引き取り下さい。」

結合が丁寧に、オブラートに包んで「帰ってくれ」という意思表示をする。

「......用件ならある。」

総理大臣が言った。その後ろには天皇がいる。万一にでも、手を出させないためだろうか。

「その者達......破壊活動の犯人達の処遇をどうするか考えなければならない。」

総理はそう続けた。

「......これまで多くの者を傷つけ、殺してきたこの者らの罪は重い。よって、死刑に処すというのが国の意向だ。」

「なっ......!?」

「............」

「死刑.........?」

「.........くっ.........」

国の意向は、結合達には酷く辛いものだった。 

「「............」」

結糸や冴音は黙っている。そして、しばらく病室に静寂が広がった。

「.........ふざけないでいただけますか。」

黙っていた結合が言った。

「.........異論があるか?」

総理が結合を睨む。そして

「.........こいつらの罪が重いなら、私達人間の罪はどうなるんだよ!?」

と叫んだ。
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