咲き誇るものは忍の恋なり
「結合の家ってすっげー広いなーっ!」

「星羅、お前うるさい」

「なんだよ澄晴ー」

じゃれあうような2人。結合の部屋にて、現在作戦会議中だ。もう一度言おう。“会議”だ。だというのに2人は......じゃれあっている。

「父上がね~。結合は頭領の娘なんだよっ♡」

と言う美結。

「海の父上が次期頭領だよ~」

と言う結合。

「真と美結の父上は2人の側近だろ?」

と、海。

「だんだん話それてる!」

真がここでとめる。はずだが、澄晴と星羅はとまらない。

「母親はどうなんだ?」

「「あぁ............」」

重い空気になる真、海、美結。そのわけら結合にあるのだろうか。

「私の母さまは死んじゃってるよ!」

いかにも明るく話す結合だが、目は悲しみの色で染められている。

「小さい頃誰かに殺されたらしいけど、記憶がなくてね~。ショックで失われたとか抜け落ちたとかなんとか......なにしろ私の目の前で殺されたらしいから....」

すると何故か、星羅と澄晴の顔が曇る。

「?2人ともどうかしたのか?」

流石は真。気がつくのが早い。

「「んー.........」」

顔を見合わせ曖昧な声を出す星羅と澄晴。

「その結合の母さんを......殺した奴......」

「俺ら、知ってるな......って思い出して......」

星羅も澄晴もいつになく苦しげな表情だ。

「「えっ!?」」

驚く4人。

「教えてッ!」

結合が食いつく。

「......星羅、俺が話す。」

星羅をそう言って制し、澄晴が話し出した。
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