咲き誇るものは忍の恋なり
「.........まさか.........!」

紫音はその“何者か”に心当たりがあるようだ。

「.........紫音...下がりなさい。」

「.........主.........」

なんとそれは破壊活動の4人組でもリーダー格であった冴音だった。

「下がりなさい。」

「ですが主!」

「紫音。」

「ッ.........御意.........」

悔しそうな紫音。渋々と下がった。

「結合.........君の母の日下部秋華を殺させた......いや、殺したのは僕です。......人間を憎んでいた僕は、同じ能力を持つ幼い紫音に、君の母を殺させた......僕にそそのかされた紫音は能力のコントロールが出来ず、母親を殺してしまった。............全て、僕が狙っていた通りでした。こんなことを言っても取り返しがつかないことはわかっています。でも、これだけは言わせてください。本当に、すみません.........!」

冴音が頭を下げた。

「......ッ!許せるわけがあるかッ!」

海が怒鳴った。普段物静かな彼がここまで言うとは、かなり怒っているのだろう。そんな海を

「海!やめて.........」

結合が止めた。1番の被害者でもある結合が、だ。

「冴音、言ってくれてありがとう。」

結合はそう言って微笑んだ。

「冴音にも、そんなことをする理由があったんだよね。それは、私達人間にも非はあるから......お互い様、だよ.........?」

「.........結合、いいのか?許すのか......?」

「もちろん。これからはさ、仲良くしていこうよ!」

結合の寛大なところは、最大の長所ともいえるであろう。

「.........!本当にすみません......!!」

冴音がもう1度謝罪した。そんな冴音に結合は

「もう過去だもん。悲しかったけど.........でも、母さまがいたことに変わりはないし、大好きだったことも変わらないから.........」

と優しく微笑みかけた。周囲に感動の色が広がる。

「良かったな、冴音。」

「これでまた友達だな!」

澄晴と星羅が冴音に笑いかけた。つられてか、冴音も笑顔になっていく。

「これで平和になったね~。」

「だな。」

どこか安心したような声の美結と真。

「やったな、結合。」

「うん!」

海と結合も良い雰囲気だ。

あたり一帯が平和な色で染まっている。
.........誰も気がつかなかったのだ。
ある1人の者の存在に。その心が暗く、深い闇に閉ざされ始めていることに。
.........解けかけていた糸が、また強く絡まり始めていることに.........
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