迷走女に激辛プロポーズ
人の気持ちなんて、当人がハッキリ言わなきゃ相手に伝わらない。
だから、佑都が何を思っているかなんて超能力者でもあるまいし分からない。

ただ、佑都は私に「一緒に住もうか?」と聞いた。
その言葉が事実で現実だ。

じゃあ、私は何がしたい? どうしたい? 人の意思じゃなく自分の意志は……。

言わなきゃ分からないなら言葉にすれば良い。そう思ったら、同意の言葉が口を突いて出ていた。

私は彼とのキスが想像できた。だから、彼とのそれからが知りたくなった。
だから、飛び込んでみたくなった。佑都の世界に……。

佑都も超能力者じゃないから、私がそんなことを考えているとも知らず、予想外の返事に肩を抱いた手を放し、引き気味に私を見て唖然としている。

なぜかその姿がツボに入る。

上がる口角を何度も下げ、必死で笑いを堪えていると、何故か佑都が、いきなり説教を始める。

「お前、何だその軽さ。こら、ヘラヘラするな! 男と一緒に住むんだぞ。良く考えてから返事するものだ。だいたいお前は時々考えも無しに大胆になり過ぎる! 俺はその度に翻弄され、お前のことを心配しなければいけないんだぞ、分かっているのか!」
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