狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「な、な、何をするんですかぁ‼」 
「フ……ン」
スッと離れた彼が、悪戯っぽく笑った。

「仕返しだ。
そっちこそ……あんまり俺をカラカうんじゃない」

真っ赤になって怒る私から逃げるように、彼はサッサと部屋を出た。

パチンと課の灯りが消える。

ああナルホド。
警戒って、そういうことかぁ。
って……

「ち、ちょっと待ってくださーい!」
「遅いっ」


真っ暗になった廊下で追いかける彼の背中が、何故か照れているような気がした。
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