狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
と、その時。

「赤野」
店の入り口前で溜まっていた集団から抜け、大神課長がやって来た。

「オヤ?カチョー、お久しブリー…グガッ」

古いお笑いのフレーズを言いかけた私の首根っこを掴み、三上さんから引き摺り離す。

「赤野。…こんなに飲まされて。オマエはオウチに帰りなさい」
「え⁉私は次に…」

彼は私をストンと立たせて、パンパンと服を払った。

「…スーツが乱れすぎだ。あとついでに、スカートも短すぎ。足をきちんと合わせてなさい」

保護者みたいにそう言うと、ポンポンと私の頭を叩いた。
それからキッと厳しい顔で、三上さんを振り向いた。

「三上、赤野は帰る。朝イチで俺の運転手だからな。お前らは次に行くぞ」

三上さんは、ヘラヘラと笑いながらも抗議した。
 
「待ってくださいよカチョー。俺らこれから、赤野ちゃんと行こうと…
明日の運転手は俺、代わりますから~」

「ダメだ、オマエは次に行く。赤野は帰る。これはカチョー命令だ」

言いながらもう手を上げて、流しのタクシーを呼び止める。

「え、そんな横暴なのら…」
酔っ払いの私が抗議すると、三上さんもむきになった。
「そうですよカチョー、いつもいつも。
運転手なら別に赤野じゃなくっても…」
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