狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「えっと……
『当社は建設会社ナドの部品や特殊機械製造、近頃はプラント建設までを一挙に手がけるメーカーで……
い、1部上場を目指しているところ、であります」

ピシッと背筋を伸ばす。

「ウン。で、ここの課は?」

「ここは業務課、卸した機械のメンテナンスや新システムのご提案ナドナドを…
あり?何だっけ?」

「やっとそこまで覚えたか…
自分が受ける会社が何やってるかくらい、入る前にしらべるだろ、普通」

3時頃に戻ってきた大神リーダーは、即座に椅子を私の目の前に引っ張ってきた。
そうして今、書いてなかった反省文がわりにホームページの『会社の概要』を復唱させている。

やっぱり、今日はことのほかご機嫌斜めだ。

「うう…だってえ!
ダメもとで受かった会社だったし、みんなこんなもんじゃないかと…」

「あぁ?フザけんなよコラ」

ワシワシと頭を乱暴に撫でる。

「ち、ちょっとセットが乱れちゃう…」
「ヤッカマしいわ。大体それな!」

彼の人指し指が、ピシッと残りの書類を指した。

「まさかまだ半分しか終わってないとは思わなかった。今日中には絶対やっとけよ」

「ええっ⁉今日は同期の皆さんと飲み会が…」

「“今日中” だ。……分かったな?」

彼はジロリと一瞥すると、椅子を立って忙しげにあっちの方へ行ってしまった。

うう……理不尽。

私は机の書類の高さを目で測ると、ガックリと肩を落とした。
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