狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
……切れなかった。

「あ~か~の~…サン?
ちょっとこっちにいらっしゃい?」

全く目の笑わない引きつった笑顔に、微妙なオネエ言葉。

久々にみる最上級のお怒りに、私は咄嗟に身構えた。

「ひいぃぃっ…!や、優しくしてくださいぃ」

「ダマレ。
誤解を与えるような言い回しは止めて……さっさとこっちに来ぉぉいっ‼」


彼は私の首根をとっ掴まえた。



 ウワアアアアアアア……


 阿鼻叫喚。

 
(あーあ)
先輩方の憐れみの眼差しの中。
いつものように私は503会議室、別名『説教部屋』へ引きずられていった。



「まず最初に。イイワケがあるなら聞いとこう」
「うう…何もありません…いたく反省しております」

私はすっかり悄気かえり、もじもじと指を弄ぶ。

「じゃあオマエは、これからどうする」
「うう…先方に謝って、再発行して貰います」

「それは一人で出来るのか」
「無理です……カチョーにも謝って貰います」

大神カチョーが、長い長い溜め息を吐いた。


「なあ赤野。オマエのミスはお前に任せた俺のミス。親に頭下げさせるんだ、分かってるのか?」
「…ハイ、気を付けます……スミマセン」

「ならいい。次からは絶対にやるな」
悄気かえっている私の頭を自分に寄せて、ガシガシと強めに撫でた。

彼のお説教はとても短い。

なのに前課長の長ったらしいそれよりも、ズバッと胸に突き刺さる……
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