僕の嘘、君の笑顔。
線路を通る電車の音すら聞こえないほど
の爆音で音楽を流す。

ありきたりな歌詞。失恋ソングだろう。
会いたいとか終わったとか
そんな感じの言葉が並べてできてきる。


自転車で坂をかけ降りる。
春の気持ちいい風が吹いている。

高校2年目の春。
もう桜は散っていた。

何も変わらない。

いつもの通学路。

いつものおじーちゃんおばーちゃんへの
挨拶。

爆音の音楽と電車の音。


だけど1つだけ変わったことがあった。

転校生だ。

僕が生活している2年1組に女子の
転校生がやってきた。


転校生の理想像。
性格が良くて美人で声をよくしたし見やすい。それはすべてを取り備えてる
人だった。

サラサラの髪。透き通った瞳。

男子はその上匂いを嗅ぎたいとか
なんとか言ってたな……。

(それは気持ち悪い)

転校生のことを考えているうちに
学校に着いた。

まあ、大体15分でつく地元の高校だ。

中学校からの進学がおおい。
なんて言ったって高校の隣の隣が
僕が通っていただく中学校だ。

常光中学校。常光高校生。

流石にこんな小さいところ、
大学はない。

自転車を置き、靴箱にいく、


(なんと…)

そこにいたのは転校生だった。
転校生はこっちに気づき、少しフリーズ。
その後小さくお辞儀して歩いていった。


編み込みってやつか……?
耳の後ろで編み込みってやつが
されてた。

しかもお辞儀……あれがモテる女子って
やつなのか。

それと、今のうちにいうが、僕はけして
転校生を好きになった訳ではない。


ただ、漫画とかアニメとかでありきたり過ぎて気になったのだ。

確かに僕も男だ、可愛いとは思う。


……うん、おもう。

オモウ……。


「おはー」
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