Tower of Fantasy
「はぁ…はぁ…ッ、痛ーっ!」


ったたた…こけちゃった…

だいぶ遠くまできたはずなのに。ここどこよ?

そういえば寝ているとき、知らない男の声が…



『高く売れるぜ。バージンだろ?』


『だろうな。じゃあアラスターで売るか』


『やっと着いたぞ…砂漠越えきついよなぁ』



…つまりここは…アラスター?!

アラスターは、私たちが住んでいる国シルバンの南の国。その国境には広大な砂漠があって、その砂漠を避けて行くのが通常ルートってお父さんに聞いたことがある…確かそのルートのかかる時間が…


「半年…」


砂漠越えで3ヶ月だ。つまり私が連れ去られてから3ヶ月は経っている…。

夕方だし、人はいる。とにかくどう帰るか考えなきゃ。リューロの声が…レクトに帰ってこいって言ってたし。



「すいません…あの…」


「??」


「言葉、分かります?」


「。。。。」


だめ…言葉が通じないわ…

シルバンの言葉を話せる人いないかしら…

とりあえず…諦めちゃダメよね!


「あの…」


「…なんだよ」


「!」


シルバンの言葉!!


「あの…!あなたは、シルバンの人ですか?!」


「そうだけど…」


「私、サーラと言います。幼なじみと冒険に出て、レクトで連れ去られちゃって…」


「そうかー、お気の毒さま、じゃあな」


「嫌っ!行かないで!私をレクトに連れて帰って!」


「お前なぁ。俺は俺より弱いやつとパーティ組みたくないわけだよ。そんでパーティ以外のやつと行動を共にするとか嫌なんだよ。分かったか?」


「分かったわ。でも組んでくれる人がいないんでしょう?大丈夫よ、私はあなたが変な格好してても気にしないわ!」


「なに言ってやがんだ!確かに俺の格好は派手だけどパーティ組んでくれって言ってきたやつはかなりいるんだぜ?みんな俺に勝てなかったんだ!」


「あなた綺麗な顔してるのねぇ」


「聞けーーー!!!お前も俺とやりてぇのか?!」


うっ…今の話が本当なら、この人はかなり強いみたい。黄色いジャケットに緑タイツっていう変な格好だけど…腰の刀は、使い込んである。でも…!


「…いいわ。勝負しましょう。私が買ったら私とパーティ組んで」


「へぇ…やる気か?なめてんのか?」


「いいえ。私は…帰らなきゃいけないから。こんなところで立ち止まっていられない」


「よし…いいぜ。きな」


「どこへ行くの?」


「お前、こんな街中で暴れる気か?空き地行くぞ」


「詳しいのね」


「ずっとパーティ探ししてるからな」
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