Tower of Fantasy
「スライムかしら、こいつ」


サーラは、さっと剣を抜いて赤いぶにゅぶにゅした赤いやつに剣を向けた。


「そうみたいだな…」


「食べられる?」


「どう見ても無理だろ…」


そう言った瞬間、赤いスライムがバラバラになった。

スライムの残骸はぶしゅっと赤い液体を吹き出した。


「…あいにく、食べられないものに用事はないの」


すっと剣をおさめたサーラに、リューロはまたもぽかんとした。


「…速」


サーラの瞬発力には毎度驚かされているが、その中でも一番速かった。


「行きましょう、リューロ」


「あぁ……、?!…うわぁ!!」


「どうしたの?!」


赤いスライムの残骸から出てきた液体がリューロの肩についたのだ。

そして、その道に飛び散ったはずの液体が、ずずずずず…という音を立てながら集まっていた。


「リューロ?!大丈夫?!」


「火傷みたいになってやがる…こいつの液、触ったら溶けるんじゃね?」


「…リューロ、復活したわ」


集まった液体は個体となって、再びぶにゅぶにゅのスライムになったのだ。


「剣じゃだめってことなのね」


「燃やすか凍らすかしないといけないやつじゃねぇの?」


「…面倒臭いわね、なんなのこいつ」


その時。


「レッドスライムじゃ。吐き出す液は強酸」


後ろからかかった声に、2人はびくっとした。
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