幸姫


 そんな私を見て秋夜さんは切なさそうに、でも真剣にこう言った


 「……王様を、お前のお父さんを、どうか責めないでやってくれ」

 その後に"お願いだ"と頭を下げられた

 よく分かんないけど、なんでこの人はここまでお父さんを慕っているのだろうか


 そんなに敬うほどの人なのだろうか

 でも、責めないでやってくれって…

 私を捨てた人なのに

 「とりあえず入れ。話したらきっと王様に向けての見方も変わるはずだ」

 「……わかった」

 私は握っていたドアノブを回し、奥へと押した

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