涙ーありがとうを君にー

3・夜の学校



「まあな。

じゃあ、遠慮なくやり返しに行くかな。


つっても、
むこうの方達はいつまで隠れんぼしてるつもりなんだろうねえ…

そんなに見つけて欲しいのかなあ」

そういって、琥珀は先程投げられた短刀を飛んで来たほうになげかえす。

すると、
観念したのか四人のまわりからわらわらと、
ざっと二十人ほどの黒装束の者達がでてきた。

「…二十人かぁ。

一人当たり五人か…

ご苦労な事ねえ」

しみじみ瑠璃は言う。

「瑠璃…

二手に別れる?

それとも四人一緒?」

湖咲が渋い顔をする。

「二手が妥当ね」

瑠璃が即答する。

「「じゃんけんぽんっ」」

兄弟と姉妹が別れてじゃんけんする。

「勝ったのどっち?」

と琥珀が手を出しながら聞く。

「瑞穂。

ほら、湖咲いきましょう?」

瑠璃が答える。

「そっか。

んじゃ、また後でな」

そう言って琥珀は瑞穂の手を引っ張って校庭にむかって走って行った。

見事に黒装束の者達を半分引き連れて…
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