お兄ちゃんと秘密のキス

長電話が終わってしまい、心なしか、寂しさを感じる。


ま、しょうがないか。

ゆめかも忙しいもんね…





─ガチャン─



私は受話器を置いた。












「ひかる。」






甘い声が聞こえた。












「お兄ちゃん…」






「ひかる。忘れてないよな?」




「え…」




嫌な予感がする。











"キース"




彼はいつかのように、私の耳元で囁いた。



熱を帯びた風が、私の耳をくすぐる。




< 106 / 409 >

この作品をシェア

pagetop