お兄ちゃんと秘密のキス

ふと、かなたを好きになりはじめた頃の自分を思い出す。


そう、あの頃は


かなたの笑顔とか

毎日1回のキスとか


そういうもので満足だった。



「好きになりすぎちゃったのかな…かなたの事。」



「ひかる…。」




彼女は、俯く私の頭をポンポンと叩いた。



「大丈夫。
みんなそうだよ、きっと。」




「うん…ありがとう。」




私は軽く笑顔を返した。



本当の気持ちを心に封じ込めて。




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