好きだから、思うこと。~連鎖する恋たち~

恋する気持ち



…濡れた…。

最ッ悪だぁ…。


「あ!…芙美、だよね…?」


教室に入ったとたん茉央に疑問系で話しかけられた。


「なんで、濡れてないの…?」

「外出てないし…」


私なんて、裏庭から昇降口まで全力脱出したのにムダに長いし、どしゃ降りだし…。


「とりあえず拭こ?タオル持ってくるから、待っててね」

「了解~…」


茉央は走ってロッカーの方へ走っていってしまった。


「はぁ…」


―カタン、と自分の席に座る。


ついてないな…。結構濡れちゃったじゃん。

雨すごいとか、一瞬でも思った私はバカだ…。


毛先からポタポタと水滴が落ちてくる。

「あーぁ…」


―バサッ。

「なーにやってんだよ」


…え。

「どうやったらそんな濡れるわけ?」


タオルが頭の上に被ってきた。

この声、は…。


「結斗…?」

「そ」

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