~愛の証~
~第一章~幼なじみ……

からかう君

「千春、これ持ってろ」
「え、なんで??」
「いいから…」
斉藤千春と塚本智基は幼なじみで幼稚園の頃からずっと一緒だった。何をするにも一緒だった2人は信頼関係もお互いに持っていた。しかし、智基はいつも千春を冗談半分でからかってくる。それが正直うざくて、しつこい…。だけど、なぜか自分もやり返したくなる気分になる。そしてそれは高校生になっても続く…。今日もまた…。

高校生になって智基は一変した。髪の毛をワックスで今風の髪型にして、色は薄い赤茶色に染めて、言葉遣いも悪くなっていて…それから両方の耳にピアスの穴を片方に2つずつも開けていた。合計4つ…。徐々に変わっていく智基。そんな智基とクラス発表で偶然にも一緒になった。

千春はF高校に入学して約2ヶ月が経った。毎日、高校で知り合った山田美奈と一緒に学校に通学している。教室に着くと鞄を机の上に置いてひと休憩をしていた。気が付くと千春は鞄を抱きしめながらいつの間にか眠りに入った。

いっときすると
「よぉ!!」
誰かの声とともに千春は目が覚めた。
「ふぁ~??」
「お前、よく眠ってんな~。昨日ちゃんと寝たのかよ?」
「ちゃんと寝ました!!!」
「お前目がはれてんぞ(笑)」
「うるさいな~」
千春は智基の腕を叩いた。
「痛~!うわぁ~腕が折れたじゃねーかよ。治療代払えよ!」
「はぁ~(怒)」
すると美奈がやってきた。
「また喧嘩~!?」
「だって智基が煩いんだもん」
「山田さんこいつバカだから手間のかかるやつなんだよ。あんまり近寄らない方が…」
「煩いなぁ~あっち行ってよ」
智基は男子の所に戻って行った。
「ちぃって本当塚本君と仲良いんだね」
「あいつとは仲良いって訳じゃない。私から見ればただのバカ男にすぎないって感じかな」
「えぇ~クラスの中で一番カッコイイって思うんだけど…。」
「はぁ~??美奈ってあんなやつが好みなの?やめたほうがいいってあんなやつ…。一緒に居ると一日で嫌になっちゃうよ!!」
「そうかなぁ~。私はちぃが羨ましいけどなぁ…」
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